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住宅ローン特則とは?住宅ローン返済中の個人再生・自己破産について解説します

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住宅ローン返済中の人が自己破産・個人再生を選択する場合

住宅ローン返済中の人が、なんらかの理由で借金返済が不能な状態に追い込まれるケースは少なくありません。

クレジットカードを使いすぎた結果口座引き落としが不能になってしまったり、キャッシングで多額のお金を高金利で借りてしまい借金返済ができなくなってしまったりと、その理由はさまざまです。

2013年以降は、東京都心部やその周辺地域、あるいは大都市では不動産価格が上昇していたため、居住している戸建て住宅やマンションを売却して借金返済に当てる人もいました。

しかし、2021年になっても地方都市における不動産価格は低迷状況にあり、借金返済が不可能となり、債務整理が必要となった場合には、個人再生や自己破産といった手段を選択する必要があります。

住宅ローン特則とは

住宅ローン支払い中に個人再生を行う場合には、住宅ローン特則を選択するケースもあります。

まず、住宅ローン債権者は、お金を貸すのと引き換えに家や土地に抵当権を設定します。

抵当権は、ローンが払えなくなったときに家や土地を競売して、その代金を優先的に回収することによって、いわゆる「取りはぐれ」を回避するための権利のこと。

つまり、通常は債務者が自己破産をしようと個人再生をしようと、住宅ローン債権者は、返済が滞ればいつでも抵当権を実行して不動産を競売にかけてしまうことができるのです。

そのため、借金を減額したいけれどどうしてもマイホームを手放したくない場合は、「住宅ローン特則(正式名称:住宅資金特別条項)」を使うことになります。

この住宅ローン特則が適応された場合、基本的に減額の対象となる借金は、住宅ローン以外の借入金になります。

住宅ローン特則が認められるための条件

1.住宅資金貸付債権であること

借入金が、住宅の購入やリフォームのためのローンであったことの証明が必要です。

いくら自宅に抵当権が付いていても、それが、自営業の運転資金の借入金のために設定された抵当権であれば、住宅ローン特則は認められません。

2.本人が所有する住宅であること

住宅ローン特則が認められるためには、個人再生の申立てをする人が所有し、自己の居住の用に供する建物のためのローンでなければなりません。

申立人が実際に住んでいる家でなければならず、投資用の不動産や、夏の間だけ利用する別荘などは住宅ローン特則が適応されません。

自宅兼事務所などの場合は、床面積の2分の1以上が自宅であることが条件です。

3.住宅ローン以外の抵当権が付いていないこと

住宅ローン特則を使う場合、住宅ローン以外の抵当権が付いていないことも条件となっています。

例えば、住宅購入の際にローンを組んで抵当権が設定され、その後、剰余部分にさらに抵当権を設定して事業用資金を借り入れたような場合は住宅ローン特則が使えません。

4.滞納がなく、代位弁済から6か月以内であること

住宅ローンを一定期間滞納すると、保証会社が債務者の代わりに住宅ローン会社に住宅ローンを一括弁済します。

この「代位弁済」が行われた場合、原則として住宅ローン特則を使うことはできません

しかし、民事再生法198条2項により、保証会社が住宅ローンを代位弁済してから6か月以内に個人再生手続開始の申立てをしたときには、例外的に住宅ローン特則が認められます。

つまり、今までに住宅ローンの滞納がない、もしくは滞納して保証会社が代位弁済をした場合でも、そこから6か月以内に個人再生の申立てをすることが住宅ローン特則の適応条件になります。

資産価値に対して1.5倍以上の負債がある場合に自己破産を選択すると同時破産

東京地方裁判所では、個人の破産者がマイホームを所有している場合でも、その不動産によって担保される借金の総額が、担保不動産の換金価値の1.5倍以上ある場合には管財事件とせず、最初から同時廃止とする方針を打ち出しています。

この方式が全国の裁判所で採用されることになれば、多額の住宅ローンやクレジットカード関連の借金返済に苦しんでいた人たちも、自己破産という方法で債務整理をしやすくなります。

これまでは高額な予納金を調達できないために、自己破産の申立てをためらい、個人再生の申立てをおこなっていた人も、1万5,000円程度の予納金で自己破産の申立てをすることによって債務整理ができるのです。

自己破産後のマイホームの行方

マイホームの資産価値に対して1.5倍以上の負債を抱えた状態で自己破産の申立てをして、同時破産になった場合でも、住宅ローンはそのまま残ります。

したがって、次の段階として、抵当権を持つ金融機関や保証会社が抵当権を実行してくるはずです。

また、同時廃止になれば不動産の差し押さえも可能となり、抵当権者は競売を申立ててきます。

しかし、マイホームの立地によっては、売却先が決まるまでには6ヶ月から1年かかる可能性があるため、焦って次の居住先を探す必要はありません。

競売となっても、新たな所有者が決定するまでは自己破産者がマイホームに住み続けても問題はありません。

また、あらかじめ専門業者にマイホームが競売にかかることを伝えたうえで、その専門業者に落札してもらい、専門業者と自己破産者との間で賃貸借契約を締結する方法もあります。

マイホームを所有する人の同時廃止手続き

住宅ローン支払い中に個人再生を行う場合には、住宅ローン特則を選択するケースがありますが、いくつかの条件が必要です。

また、マイホームの資産価値に対して1.5倍以上の負債がある状態で、同時廃止してもらうためには、債務者が所有する不動産の評価額を明らかにする資料を裁判所に提出することが必要です。

一般的には、不動産鑑定士に依頼して、不動産の時価に関する鑑定書を作ってもらうか、路線価格に対する書面または固定資産税評価証明書などの書類を提出する必要があります。

自己破産と個人再生、どちらを選んでもマイホームを手放さない方法は存在するので、信頼できる専門家に相談してみると良いでしょう。

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